アクリル樹脂塗料、ウレタン樹脂塗料、シリコン樹脂塗料、シリコン樹脂塗料それぞれのメリットとデメリットをご説明いたします。
アクリル樹脂塗料のメリットとデメリット
アクリル樹脂塗料のメリット
コストパフォーマンスに優れている(安く施工できる)
アクリル塗料の最大のメリットは、優れたコストパフォーマンスです。アクリル塗料は価格が安いので、広い面積を塗装する場合にはウレタン塗料やシリコン塗料など高性能の塗料を使用するのに比べ、コストを大幅に抑えられます。製品によって価格は異なりますが、シリコン塗料と比べて約3割ほど安く入手できるので、限られた予算で工事するのに最適な選択肢と言えるでしょう。
耐久性など塗装以外の要素も考慮した総コストで考えるとウレタン塗料やシリコン塗料も優れたコストパフォーマンスが期待できますが、単純に塗装コストだけを比較するのであればアクリル塗料に強い優位性があります。アクリル塗料は、とにかく支払額をおさえて安く施工するのに最適な塗料と言えます。
ツヤの良さや発色の良さがある(色合いが鮮やか)
アクリル塗料は、優れた艶感と発色の良さを併せ持つ色鮮やかさが魅力です。塗料の中には仕上がりに艶が少ないマットな発色になるものもありますが、アクリル塗料は艶のある美しい仕上がりが特徴の塗料です。非常にはっきりとした色合いに仕上がるので、塗料の美しさを生かし、鮮やかに仕上げたい場合にぴったりな塗料です。
アクリル樹脂塗料のデメリット
塗膜の劣化が早い(耐久性が低い)
アクリル塗料には、塗膜の劣化が早く耐久性に優れていない、というデメリットがあります。外壁に塗装した場合のアクリル塗料の寿命は5?8年ほどで、10年持たずに劣化してしまいます。アクリル塗料は原料として使用されているアクリル樹脂の性質上、酸化が起こりやすい事から耐久性が低く、長持ちは期待できません。
短期間で塗り替える必要があるので、価格が安く導入コストは低く抑えられても維持コストがかかってしまうため、総コストで比較すると価格優位性はあまり期待できません。
塗替え時に手間となる場合がある
重ね塗りしやすいのがアクリル塗料のメリットですが、実際に塗り替える際に作業が簡単とは限りません。劣化が早く進むアクリル塗料は浮きや剥がれが発生しやすく、そのままでは重ね塗りできないことがよくあります。
劣化した塗装面をそのままにして塗り替えるとしっかりと定着せず、短期間でぼろぼろと剥がれてしまう恐れがあります。塗替え時に浮きやハガレをきれいに落として下地処理すれば問題なく塗装できますが、下地処理作業の手間が負担となってコストがかさみます。
塗膜が固いのでひび割れ(クラック)になりやすい
アクリル塗料は塗膜が固くなることで高い防護性を発揮しますが、塗膜が固いことでひび割れしやすいというデメリットも発生します。ムラなくキレイに塗装しても、乾燥や温度変化によるひび割れは避けられません。
ノビの良い弾性アクリル塗料を用いたり、あらかじめ塗膜の収縮によるひび割れを見越して塗り直しを考慮した施工計画を立てたり、と工夫次第で対処は可能ですが、ひび割れによる耐久性の低下は懸念材料です。
過度な浸透性
アクリル塗料には優れた浸透性があるので、湿気がたまりやすい室内の塗装に向いています。一方で、過度な浸透性による湿気の悪影響は大きなデメリットです。アクリル塗料で塗装しても、防湿効果は期待できません。雨の多いエリア外壁をアクリル塗料で塗装した場合、外部からアクリル塗料越しに内部に湿気が浸透し、住宅に悪影響をおよぼす可能性があります。
ウレタン樹脂塗料のメリット、デメリット
ウレタン樹脂塗料のメリット
高い耐久性
硬化剤と反応することで硬化し、傷や衝撃に強い塗膜を形成します。
外壁塗装の場合、定期的な塗り替えが必要な他の塗料に比べて、長持ちします。
耐水性
雨や水に強く、色あせや劣化も起こりにくい塗膜を形成します。
外壁塗装の場合、雨風による劣化を防ぎます。
建物の寿命を延ばすことができます。
美しい仕上がり
光沢があります。
滑らかな手触りの美しい仕上がりになります。
外壁塗装の場合、建物の外観を美しく保ちます。
高級感を演出することができます。
比較的安価
近年では価格もこなれており、比較的安価な塗装方法です。
他の塗装方法に比べて、費用を抑えたい場合に最適です。
ウレタン樹脂塗料のデメリット
臭いが強い
ウレタン塗装の最大のデメリットは、刺激臭です。
硬化剤と反応する際に発生する臭いです。
ツンとした刺激があり、頭痛や吐き気などの症状を引き起こす可能性もあります。
シリコン樹脂塗料のメリット、デメリット
シリコン樹脂塗料メリット
耐久性に優れる
シリコン塗料は、住宅に使われる塗料の中でも耐久性が高い部類で、約7年?15年の寿命を持ちます。シリコン塗料は硬い塗膜を形成する塗料であり、防水性・撥水性が高く汚れにくい性質を持ちます。また、600℃の熱にも耐える耐熱性や、紫外線・酸性雨でも劣化しにくい耐光性を備えており、今後も長く住み続ける予定がある家の塗装に適しています。
低汚染性が期待できる
シリコン塗料は、表面に汚れが付着しにくい低汚染性も備えている塗料です。塗装から時間が経過しても汚れが目立ちにくいので、美しい家を長く保ちたい方に適しています。また、透湿性が高く結露が発生しにくいため、家の内側にカビが発生して傷んでしまうことを防げるメリットもあります。
色や価格帯の選択肢が豊富
シリコン塗料は、主要な塗料の中でも最も人気な種類なので、カラーや価格帯のバリエーションが豊富なこともメリットに挙げられます。シリコン塗料の中でも価格が抑えめの商品を選んだり、機能性に優れた商品を選んだりすることも可能で、家の雰囲気に合わせた色を選ぶこともできます。デザインを重視したい方はもちろん、費用を安く抑えつつ寿命の長い塗料を選びたい方にも適しています。
シリコン樹脂塗料デメリット
アクリル塗料・ウレタン塗料よりも高価
シリコン塗料は、主要な塗料の中ではやや高価な部類で、アクリル塗料・ウレタン塗料と比べると平米単価も割高になります。ただしアクリル塗料・ウレタン塗料と比べて耐用年数が長いので、次の塗り替えまでの周期を長く見積もることができます。そのため長期的に見ると屋根・外壁のメンテナンス費用を節約できることも多いです。
フッ素塗料よりも耐用年数が短い
主要な塗料の中で最も高価なフッ素塗料と比べると、シリコン塗料はやや耐用年数が短くなる傾向があります。最も耐用年数が長い塗料を選びたい場合、シリコン塗料は中途半端な選択肢のように思えるかもしれません。新築する建物の屋根塗装・外壁塗装で、今後何十年と住み続ける予定がある場合には、シリコン塗料よりもグレードの高いフッ素塗料などを選ぶことをおすすめします。
フッ素樹脂塗料のメリット、デメリット
フッ素樹脂塗料 メリット
耐久性が高い
フッ素塗料は建築界や産業用途で広く使用されていますが、その人気の裏には耐久性の高さがあります。この高度な耐久性は、フッ素樹脂の化学的安定性に由来します。フッ素原子は強固な結合を形成し、UV線や大気中の塩素、硫黄といった外部要因からの劣化を最小限に抑えます。
また、フッ素塗料は水や油、汚れに対して非常に高い耐性を持つため、外観が長期間美しいまま保たれます。このようにして、フッ素塗料は長寿命であり、初期費用が高くても長期的に見れば極めて経済的な選択といえます。
色あせに強い
多くの塗料は紫外線によって劣化し、色あせることがあります。しかし、フッ素塗料は紫外線に対する耐性も高く、長期間美しい外観を維持することができます。これは、商業施設や住宅でよく用いられる理由の一つです。
特に外壁などは、紫外線の暴露により劣化が進むと、塗料の艶がなくなったり塗膜が粉状になる(チョーキング)が現れます。フッ素塗料はこのような劣化が、安価な塗料に比べて起こりにくいといわれています。
コストパフォーマンス
フッ素塗料は長期間にわたる耐久性と低メンテナンスが魅力です。一般的なアクリル塗料やウレタン塗料と比べて初期コストは高めですが、そのパフォーマンスと寿命を考慮すると経済的に非常に優れています。
この塗料は化学的に安定し、紫外線や酸性雨、塩分に対する抵抗力があります。結果として、塗り替え周期が長く、長期的なランニングコストが削減されます。
フッ素樹脂塗料 デメリット
初期費用が高い
フッ素塗料の一番のデメリットと言えるのが、その初期費用の高さです。特に高品質なフッ素塗料は、アクリル塗料やウレタン塗料と比べても明らかに価格が高いことから、工事の際にはコスト面で安価な塗料を選ぶケースもあります。しかし、長期的なメンテナンスコストを考慮すれば、この初期費用も相対的には許容範囲内とも言えます。
折半屋根の錆止め・上塗りの工程写真
錆止め

上塗り

外壁塗装 価格表
施工面積 45坪(約150㎡)の場合
※外壁の状況等により施工価格は変動します。
アクリル樹脂塗料 | 1,200円 / ㎡~ |
ウレタン樹脂塗料 | 1,600円 / ㎡~ |
シリコン樹脂塗料 | 2,200円 / ㎡~ |
フッ素 樹脂塗料 | 3,000円 / ㎡~ |
足場 | 250,000 円 |
付帯部塗装 | 180,000 円 |
シール打替 | 200,000 円 |
屋根塗装 価格表
※折半屋根など倉庫の屋根も施工可能です。ご相談ください。
ウレタン樹脂塗装 | 1,400円 / ㎡~ |
シリコン樹脂塗料 | 2,000円 / ㎡~ |
ラジカル樹脂塗料 | 2,300円 / ㎡~ |
フッ素 樹脂塗料 | 2,800円 / ㎡~ |
耐用年数・保証期間について
耐用年数 | 外壁保証期間 | 屋根保証期間 | |
アクリル樹脂塗装 | 3~7年 | 2年 | 2年 |
ウレタン樹脂塗装 | 6~10年 | 3年 | 2年 |
シリコン樹脂塗料 | 10~15年 | 5年 | 3年 |
フッ素 樹脂塗料 | 15~20年 | 5年 | 3年 |